「12（ワンニャン）平和党」は日本を変えられるのか？

📢 ポッドキャストでもチェック！ 🎧「文章を読む時間がない」「音声でサクッと知りたい」という方へ！本ブログの内容を 3分のポッドキャスト にまとめました。「CUUN」が徹底調査した内容を耳で理解しやすくお届けします。移動中や作業しながらでも気軽に聴けるので、ぜひご活用ください！ 🚶‍♂️🎙

⏩ ポッドキャストはこちら

2025年夏の参院選に向けて、タレントのデヴィ夫人が「12（ワンニャン）平和党」を設立し、動物愛護を主要政策として掲げました。この政党は単なる話題作りなのか、それとも日本社会を変える可能性があるのか？ 本記事では、世界の事例や日本の現状を踏まえながら「12平和党」の意義、展望、そして可能性について深掘りしていきたいとおもいます。（個人的な見解と感想です）

1. 12平和党とは何か？

「12（ワンニャン）平和党」は、日本国内の動物愛護を強化し、人と動物が共生できる社会の実現を目指す政党です。具体的な政策としては、以下のような項目が掲げられています。（詳細は政党のWEBページをご覧ください。）

1. 犬猫の食用禁止

   • 日本では明確な禁止法が存在しないため、法整備を推進。
     
     

2. 殺処分ゼロの推進

   • 動物保護施設の充実、里親制度の強化。
     
     

3. 動物虐待の厳罰化

   • 動物虐待に対する罰則の強化、監視体制の整備。
     
     

4. 災害時のペット避難対策の確立

   • 災害時にペットと共に避難できる環境整備。
     
     

5. 動物愛護教育の推進

   • 小学校・中学校の教育課程に動物愛護教育を導入。
     
     

6. ペット業界の透明化

   • 過剰繁殖や劣悪な環境での飼育を防ぐため、ブリーダー規制を強化。

2. 世界における動物愛護政党の事例

世界には、動物の権利保護を主軸とする政党が存在し、各国で一定の政治的影響力を持っています。代表的なものをいくつか紹介します。

• オランダ「動物党（Partij voor de Dieren）」（2002年設立）

  • 動物の権利保護を中心に、環境保護、持続可能な農業政策を展開。
  • 2006年にオランダ議会で2議席を獲得し、現在は欧州議会にも議員を送る。
    
    

• イギリス「Animal Welfare Party」

  • 動物福祉全般を目的とした政党。
  • 欧州議会選挙で候補者を擁立し、動物権利活動の法整備を進める。
    
    

• オーストラリア「Animal Justice Party」（2009年設立）

  • 動物虐待防止、ヴィーガン促進、持続可能な農業などを提唱。
  • 2015年の選挙で議席を獲得し、州議会で動物福祉政策を推進。
    
    

このように、動物愛護を掲げる政党は世界にも存在しますが、成功している政党は動物保護だけでなく環境問題や持続可能な社会をテーマに含めています。「12平和党」が動物愛護のみを主軸にしている点が、日本社会でどのように受け入れられるかが焦点となります。

特に、オランダの「動物のための党（Partij voor de Dieren）」とオーストラリアの「アニマル・ジャスティス・パーティー（Animal Justice Party）」は、その代表的な例です。以下に、これらの政党の議席状況と活動について詳しく説明します。（最新情報は検索してください。）

オランダ「動物のための党（Partij voor de Dieren）」

★設立と理念

2002年に設立された「動物のための党」は、動物の権利保護を中心に、環境保護や持続可能な農業政策を推進しています。設立以来、動物福祉を政治の主要議題とすることを目指し、活動を展開してきました。

★最新の議席状況

2023年10月30日時点の情報によると、「動物のための党」は欧州議会、オランダ国会、地方議会を合わせて約80議席を保持しています。この議席数は、同党が国内外で動物福祉に関する政策提言と立法活動において、着実に影響力を拡大していることを示しています。

★活動と影響力

「動物のための党」は、動物福祉だけでなく、環境問題や人権問題など幅広い政策を取り上げ、多様な支持層を獲得しています。オランダ国内では、他の政党にも動物福祉に関する議論を促し、政策立案に影響を与える存在となっています。また、欧州議会においても、動物の権利保護に関する議論や立法プロセスに積極的に関与し、国際的な影響力を持つ政党として認識されています。

オーストラリア「アニマル・ジャスティス・パーティー（Animal Justice Party）」

★設立と理念

2009年に設立された「アニマル・ジャスティス・パーティー（AJP）」は、動物の権利擁護を目的とし、動物虐待の防止や持続可能な農業の推進などを掲げています。設立者のスティーブ・ガーリック氏は、動物の声を政治に反映させる必要性を訴え、党を立ち上げました。

★最新の議席状況

AJPは、オーストラリア連邦議会での議席獲得には至っていませんが、州議会や地方自治体での議席を獲得しています。具体的には、2015年にニューサウスウェールズ州議会の上院で初めて議席を獲得し、その後、ビクトリア州議会でも議席を得ています。さらに、地方自治体レベルでも代表を送り出し、地域社会での動物福祉向上に取り組んでいます。

★活動と影響力

AJPは、動物福祉に関する法改正や政策提言を積極的に行い、オーストラリア国内での動物保護意識の向上に寄与しています。また、環境保護や公共の健康といった関連分野とも連携し、総合的な政策を推進しています。2025年3月には、西オーストラリア州で初の州議会議員を選出することを目指しており、現在、候補者の募集や選挙活動を展開しています。 

これらの政党は、動物の権利保護を中心に据えつつ、環境問題や持続可能な社会の実現など、広範な政策を展開することで、政治的な影響力を高めています。日本においても、動物福祉に特化した政党が成功を収めるためには、単一のイシューにとどまらず、多角的な政策提言と広範な支持層の獲得が鍵となるでしょう。

3. 日本での実現可能性

日本では動物愛護の意識は高まりつつありますが、選挙で議席を獲得するには大きな課題が残ります。

• 動物愛護に関する世論の変化

  • 2020年のペットショップ規制強化、動物愛護法改正など、社会的関心は高まっている。
  • 一方で、動物愛護を主要な政治課題として認識する人はまだ少数。
    
    

• 日本の選挙制度との相性

  • 参院選の比例代表枠は政党間競争が激しく、単一イシュー政党が議席を得るのは難しい。
  • 知名度が影響するため、デヴィ夫人の存在はプラスになる可能性も。
    
    

• メディア戦略の重要性

  • SNSやインフルエンサーを活用し、動物愛護を社会問題として広める必要がある。
  • デヴィ夫人の知名度をどのように活かすかが鍵。

4. 12平和党の展望と可能性

「12平和党」は、日本の動物福祉を推進するという点では確実に意義があります。しかし、現実的な政治運動として成功するためには、いくつかの課題を克服する必要があります。

（1）NPOとの連携による影響力の強化

政党単独ではなく、既存の動物愛護団体（NPO）と協力することで、実際の法改正への影響力を高めることができます。

（2）政策の幅を広げる

世界の動物福祉政党の成功例を参考に、環境保護や持続可能な社会構築など、より広範なテーマを取り入れることで、支持層を拡大できる可能性があります。

（3）有権者との接点を増やす

選挙において、支持基盤の形成は不可欠です。オンラインキャンペーンだけでなく、地方でのイベント開催、ボランティアとの連携など、より草の根の運動が必要です。

結論：12平和党は日本社会を変えられるのか？

「12平和党」は日本の動物愛護の意識を高めるという意味では大きなインパクトを持つ可能性があります。しかし、実際に議席を獲得し、法改正を進めるためには、多くの課題が残ります。

最大のポイントは、

1. 単一イシュー政党の限界をどう超えるか
2. 他の社会問題と結びつけて広範な支持を得るか
3. 既存の動物愛護団体やメディアと連携し、影響力を最大化できるか

これらの戦略を上手く活用できれば、「12平和党」は単なる話題作りではなく、日本の動物福祉政策を変える可能性を秘めています。今後の動向に注目が集まります。