▲2011.3.14 宮城県。仙石が撮影した一枚。瓦礫の隙間に伏せ、首輪をつけたまま、誰かを待っているようにじっとしていた犬の姿。当時、私たちは名古屋を拠点にしていた。震災の報道を見て、ただじっとしていることはできなかった。3月13日、震災から2日後。ハイエースをレンタルし、ペットフードや物資を詰め込み、宮城へ向かった。(天使のカートの生みの親であり、現・アレミッケ代表の鈴木社長と共に)あの日、被災地で目にした光景は、今も忘れられない。
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【ご覧いただく皆さまへ:震災当時の写真掲載についてのご案内】
本ブログでは、東日本大震災当時に仙石が撮影した写真を掲載しております。当時の状況を記録したものとして掲載しておりますが、ご覧いただく方の中には、震災の記憶がよみがえり、心を痛める方もいらっしゃるかもしれません。閲覧の際には、どうかご自身のご体調やお気持ちに無理のない範囲でご覧いただければ幸いです。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
日本における災害とペット同行避難の課題|世界と比較した現状と解決策
日本はこれまでに阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、そして近年の熊本地震や能登半島地震など、多くの大規模な地震を経験してきました。これらの災害は甚大な被害をもたらし、防災意識の向上が求められています。
しかし、ペットとの同行避難という観点では、日本は未だに十分な環境が整っていないのが現状です。災害時、多くの飼い主が「ペットを連れて避難できない」「避難所でペットの受け入れが不可」「ペットを理由に避難をためらう」といった深刻な問題に直面しています。
本記事では、日本のペット同行避難の課題を世界の状況と比較しながら分析し、災害時にペットと安全に避難するために何ができるのか、またCUUNとしてどのようなアクションを取るべきかを考えていきます。
📢1. 日本におけるペット同行避難の現状と課題
▲2011.3.14 福島県/撮影:仙石
震災から3日後、名古屋から宮城へ向かう道中、福島で目にした光景。ねじれ、裂けたアスファルトが、大地がどれほどの衝撃を受けたのかを物語っていた。ここを走っていたはずの車、行き交うはずだった人々の気配はなく、ただ崩れた道路だけがそこにあった。それでも、止まるわけにはいかなかった。ペットのための物資を積んだハイエースを走らせ、宮城へ。傷ついた街と人々、そして取り残された命に、少しでも手を差し伸べるために。
ペット同行避難の法的・行政的課題
日本のペット同行避難の基本方針は、環境省が策定した「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(2018年改訂)によって定められています。このガイドラインでは、飼い主は自助努力によりペットと共に避難することが望ましいとされ、自治体にも対応準備が求められています。
しかし、この方針には法的拘束力がなく、各自治体の判断に委ねられているため、地域ごとに対応が大きく異なっています。その結果、全国的なペット同行避難の整備は十分に進んでいないのが現状です。
東日本大震災におけるペット同行避難の課題
2011年の東日本大震災では、避難所ごとにペット受け入れの可否が異なる状況が発生し、多くの飼い主が次のような問題に直面しました。
- 「ペット不可」の避難所が多く、避難を断念する飼い主が続出
- 避難先が見つからず、車中泊を余儀なくされるケースが多発
- ペットと共に避難できた場合でも、他の避難者とのトラブルが発生
このような状況は、現在も根本的に改善されていません。多くの自治体では、ペット同行避難を考慮した避難所の設置が進んでおらず、「人命優先」の名のもとにペットの受け入れが後回しにされているのが実態です。
日本のペット同行避難の行政的課題と解決策
-
法的拘束力のあるペット避難ルールの制定
現在、日本にはペット同行避難を義務化する法律がないため、各自治体の裁量によって対応が分かれています。アメリカのPETs Act(ペット救済法)のように、全国統一のルールを制定し、ペット受け入れの義務化を進める必要があります。 -
ペット専用避難スペースの整備
現在の避難所では、ペットと人間が同じ空間で避難生活を送ることに課題があります。アレルギーや衛生面の懸念を考慮し、ペット専用の避難スペースを設置し、設備(ケージ、トイレ、消臭対策など)を充実させることが必要です。 -
自治体と住民の意識改革
多くの自治体では、ペット同行避難に関する具体的なルールが定められていないため、現場で混乱が生じています。定期的な防災訓練の中に、ペット同行避難のシミュレーションを組み込み、地域全体で受け入れ体制を整えることが重要です。
避難所の受け入れ体制と社会的認識の不足|ペット避難の課題と解決策
日本の避難所とペット同行避難の課題
日本の避難所は、基本的に自治体や自主防災組織が運営しています。しかし、ペットを受け入れるための明確なルールが存在しない避難所が多く、受け入れを断るケースが後を絶ちません。
ペット同行避難が進まない主な理由として、次の3つの課題が挙げられます。
1. アレルギー問題・衛生面の懸念
避難所では、多くの人々が共同生活を送るため、ペットの毛やにおい、鳴き声が他の避難者の迷惑になると考えられています。特に、ペットアレルギーを持つ人にとっては、動物との共存が健康リスクとなる可能性があり、受け入れに対する反発が生じやすくなります。
▶ 解決策
✅ ペット専用の避難エリアを設け、アレルギーを持つ人との住み分けを行う
✅ 空気清浄機や防臭対策を導入し、ペットと非飼育者双方が快適に過ごせる環境を整備
2. ペット用スペース・備品の不足
ペットを同行避難させるためには、専用スペースやケージ、トイレなどの備品が必要ですが、多くの避難所では設置する余裕がありません。そのため、ペットを屋外に放置することもできず、結果的に車中泊を選ばざるを得ない飼い主も少なくありません。
▶ 解決策
✅ ペット避難用備品(ケージ・トイレ・フード)を事前備蓄し、各避難所に配備
✅ ペットホテルや動物病院との連携により、一時避難先としての活用を推進
3. ペット同行避難の認識不足
避難所の運営者や自治体の職員の中には、「ペット同行避難は必要ない」という認識が根強く残っているケースもあります。特に、過去の災害では「人命優先」の名のもとにペット受け入れが後回しにされてきたため、今もなおペット避難が軽視される傾向があります。
▶ 解決策
✅ 自治体主導のペット同行避難訓練を実施し、避難所の運営者や住民の意識改革を行う
✅ 「ペットも家族」という認識を社会全体で浸透させる啓発活動を強化
まとめ
✅ ペット専用の避難エリアを整備し、アレルギー対策を講じる
✅ ペット避難用備品の備蓄を強化し、避難所の設備を充実させる
✅ ペット同行避難の重要性を広め、自治体・避難所運営者の意識改革を行う
日本の避難所におけるペット同行避難の環境整備は急務です。避難者とペットが安心して避難できる体制を確立するためには、自治体・施設運営者・飼い主の三者が協力して対策を進めることが不可欠といえるでしょう。
📢2. 海外のペット同行避難の取り組み|日本との違いと課題
日本と比べ、アメリカやヨーロッパではペット同行避難の制度が整備され、法的支援や避難所の受け入れ体制が進んでいます。 これらの国では、ペットを「家族の一員」として捉え、災害時にも飼い主と一緒に避難できるシステムが確立されています。
本記事では、海外のペット同行避難の成功事例や法整備の状況を紹介し、日本の課題との違いを比較 します。

アメリカにおけるペット同行避難の義務化|PETs Actの導入
アメリカでは、2005年のハリケーン・カトリーナを契機に、ペット同行避難の法整備が急速に進みました。この災害では、ペットを避難所に連れて行くことが許可されず、多くのペットが取り残される事態が発生しました。
この教訓を踏まえ、2006年に「ペット避難・輸送基準法(PET Evacuation and Transportation Standards Act、通称PETs Act)」が制定され、以下の対応が義務付けられました。
- 連邦緊急事態管理庁(FEMA)が各州や自治体に対し、ペットを考慮した避難計画の策定を義務付け
- ペットと飼い主が一緒に避難できる施設の整備
- ペット救済を含む災害支援プログラムの強化
アメリカのペット同行避難対策のポイント
✅ 全国共通の法律でペット同行避難を義務化
✅ ペット専用の避難施設を確保し、受け入れを標準化
✅ FEMAが州や自治体にペット避難計画の策定を義務付け
アメリカでは、ペットを「家族の一員」として扱い、災害時の保護を法的に義務化しています。この仕組みにより、ペットを置き去りにせず、安全に避難できる環境が整備されました。

ヨーロッパにおけるペット同行避難の取り組み|イギリス・ドイツの事例
ヨーロッパでは、動物福祉の観点からペット同行避難が「当然の権利」として認識されており、多くの避難所でペット専用スペースが設けられています。
イギリスの取り組み
✅ 自治体がペット避難ガイドラインを策定し、避難所にペット用エリアを確保
✅ ペットを「感情を持つ生き物(Sentient Being)」と定義し、保護を義務化(動物福祉法)
ドイツの取り組み
✅ 災害時に飼い主がペットを放棄すると、救助活動に支障をきたすリスクがあると認識
✅ 避難施設にペット用スペースを設置し、飼い主と離れ離れにならない体制を整備
ドイツでは、ペットが取り残されることで飼い主の避難が遅れる問題や、救助隊がペット救出のために危険を負うケースが問題視されています。そのため、ペット同行避難を推奨し、避難施設の整備を進めることで、災害時の混乱を最小限に抑える方針が取られています。
海外の取り組みと日本の違い|なぜ日本は遅れているのか?
比較項目 | アメリカ | ヨーロッパ(イギリス・ドイツ) | 日本 |
---|---|---|---|
法整備 | PETs Actにより、ペット同行避難が義務化 | 動物福祉法に基づきペット保護が義務化 | ガイドラインのみ、法的拘束力なし |
避難施設 | ペット専用避難施設の整備 | 避難所にペット用スペースを確保 | ペット同行避難の受け入れは自治体ごとに異なる |
行政の対応 | FEMAがペット避難計画を義務付け | 自治体主導でペット避難対策を策定 | 自治体の判断に委ねられ、地域差が大きい |
社会的認識 | 「ペットも家族」の認識が強く、避難時の権利として確立 | 動物福祉の視点からペット避難が義務化 | 「人命優先」の考えが強く、ペット同行避難が後回し |
海外の事例と比較すると、日本のペット同行避難が進まない理由は以下の3点に集約されます。
✅ 法整備の遅れ:ガイドラインのみで法的拘束力がない
✅ 避難施設の未整備:ペット専用の受け入れ環境が不足
✅ 社会的認識の違い:「人命優先」の考えがペット同行避難を後回しにしている
まとめ|日本に求められるペット同行避難の改革
✅ 全国統一のペット同行避難ルールを法制化し、各自治体の対応を標準化する
✅ 避難所のペット受け入れ体制を整え、専用スペースや備品を確保する
✅ ペット同行避難の意識改革を進め、社会全体で「ペットも家族」という認識を広める
海外の事例から学べることは、「法整備」「施設整備」「社会的意識の向上」の3つがペット同行避難のカギとなるということです。
日本でも、災害時にペットと飼い主が安心して避難できる環境を整えるために、行政・民間・個人が協力し、具体的な施策を推進することが不可欠です。
📢3. ペット同行避難を進めるための解決策
日本でペット同行避難を進めるために必要なこと|法整備・インフラ・意識改革の3つの柱
日本でペット同行避難を本格的に推進するためには、法的制度の確立、避難所のインフラ整備、住民・自治体の意識改革の3つの柱が不可欠です。
ここでは、それぞれの具体的な取り組みを解説します。
1. 法整備|全国統一のペット同行避難ルールの確立
現在、日本のペット同行避難に関するルールは自治体ごとに異なり、統一基準がありません。そのため、避難所によってペットの受け入れ対応がバラバラで、飼い主が混乱するケースが多発しています。
現在、日本のペット同行避難に関するガイドラインは、各自治体の判断に委ねられており、全国統一のルールが存在しない状況です。そのため、地域ごとに対応が異なり、一部の避難所ではペットの受け入れが拒否されるケースが後を絶ちません。
▶ 必要な施策
✅ ペット同行避難を法的に義務化し、全国統一の基準を策定
✅ 避難所のペット受け入れルールを明文化し、自治体ごとの対応を標準化
✅ アメリカの「PETs Act」のようなペット避難法の制定を推進
2. インフラ整備|ペット専用スペースと備品の確保
多くの避難所では、ペットと人が共存できる環境が整っていません。アレルギーや衛生問題の懸念から、ペットの受け入れを拒否する避難所も少なくありません。
避難所の多くは、人間の避難を優先する設計となっており、ペット専用のスペースや備品が不足しているのが現状です。そのため、ペット連れの避難者が車中泊を余儀なくされたり、受け入れられた場合でも、衛生面やアレルギー問題でトラブルが発生しやすくなっています。
▶ 必要な施策
✅ すべての避難所にペット専用エリアを設置し、飼い主と分離したスペースを確保
✅ ペット用ケージ・トイレ・フード・消臭設備などの備蓄を強化
✅ ペットホテルや動物病院と提携し、一時避難先の確保を進める
✅ 海外の事例:
アメリカでは、FEMA(連邦緊急事態管理庁)がペット同行避難の受け入れ基準を設け、避難施設を整備しています。ドイツでは、ペットの同行避難が義務化され、すべての避難所にペット専用スペースを完備しています。
3. 意識改革|防災訓練と啓発活動の強化
ペット同行避難が進まない背景には、避難所運営者や自治体の意識不足があります。多くの自治体では「人命優先」の考えが根強く、ペットの受け入れが後回しにされています。
▶ 必要な施策
✅ 自治体主導の防災訓練にペット同行避難を組み込み、実際の避難手順をシミュレーション
✅ 避難所運営スタッフ向けの研修を実施し、ペット避難の知識を向上
✅ 飼い主向けに「クレートトレーニング」などの事前準備を推奨し、スムーズな避難を可能にする
✅ 海外の事例
アメリカでは、ペット同行避難の防災訓練が定期的に実施され、自治体と住民が協力してスムーズな避難を行える体制が整っています。
まとめ|ペット同行避難の実現に向けた3つの改革
1️⃣ 法整備: 全国統一のペット避難ルールを策定し、自治体ごとの対応を標準化
2️⃣ インフラ整備: ペット専用スペースや備品の確保を進め、避難所の受け入れ環境を強化
3️⃣ 意識改革: 防災訓練や啓発活動を通じて、ペット同行避難の重要性を社会全体に浸透させる
日本でも、海外の成功事例を参考にしながら、行政・民間・飼い主が協力して具体的な施策を進めることが求められます。
📢4. 震災時に備えるペット防災対策
震災時に備えて準備しておくべきもの|ペット用防災グッズチェックリスト
災害時には、飼い主とペットの安全確保が最優先です。しかし、避難所ではペット用の物資が不足することが多く、事前の準備が不可欠です。
ここでは、最低限備えておくべきペット用防災グッズリストを紹介します。
🐾 ペット用防災グッズチェックリスト 🐾

✅ キャリーバッグ・クレート(避難所での居場所確保のため)
➡ 避難先でペットが落ち着ける場所を確保するために必要。普段からクレートに慣れさせておくことが重要。
🔹 準備のポイント
✔ サイズ選び:ペットが中でリラックスできる広さを確保
✔ 通気性の確保:蒸れにくく、快適に過ごせるデザインを選ぶ
✔ 普段から慣れさせる:避難時にストレスを減らすため、日常的に使用しておく
🐾また、避難所のルールによってはクレートの使用が義務付けられることもあるため、持参しておくとスムーズに対応できます。

✅ リード・ハーネス(逃走防止のため)
➡ 避難中の混乱時にペットが逃げ出すのを防ぐ。首輪に飼い主の連絡先をつけておくと安心。
🔹 準備のポイント
✔ 強度のあるリードとハーネスを使用(急な引っ張りにも耐えられるもの)
✔ 緩みやすい首輪はNG(パニック時にすり抜けるリスクあり)
✔ 首輪やハーネスに飼い主の連絡先を記載(迷子対策)
✔ 普段から装着に慣れさせておく(急な着用でストレスを与えないため)
🐾避難先ではペットの行動範囲が制限されるため、リードを常に持ち歩き、万が一の逃走防止に備えましょう。

✅ ペットフード(7日分以上)&水
➡ 災害時は物流が混乱し、フードや水の入手が困難になる可能性が高い。慣れたフードを多めに備蓄しておく。
🔹 準備のポイント
✔ 最低7日分以上のフードと飲料水を備蓄
✔ ドライフードなら密閉容器に保存(湿気や劣化を防ぐ)
✔ ウェットフードも活用(水分補給の補助として)
✔ 飲み水は1日あたりペットの体重1kgにつき50~100mlを目安に準備
✔ 使い慣れた食器や携帯用ウォーターボトルも用意
🐾避難時はペットの食事環境が変わりやすいため、非常時でも安心して食べられるフードを事前に準備しておきましょう。

✅ ワクチン接種証明書・健康診断書のコピー(避難所での受け入れのため)
➡ 一部の避難所ではワクチン接種が確認できないと受け入れを拒否される場合もある。証明書のコピーを防水ケースに入れて保管しておく。
🔹 準備のポイント
✔ 狂犬病予防接種証明書(法律で義務化されているため必須)
✔ 混合ワクチン接種証明書(感染症予防の観点から求められることが多い)
✔ 健康診断書(持病のあるペットは、服薬情報や病歴も記載しておくと安心)
✔ コピーを防水ケースやジップ付き袋に入れ、避難バッグに常備
✔ スマホで撮影し、デジタルデータとしても保存
🐾避難時の混乱の中でも、ペットがスムーズに受け入れられるよう、事前に証明書類を準備しておきましょう。

✅ 排泄用品(ペットシーツ・猫砂・トイレ用品)
➡ ペットの排泄管理は、避難所の衛生環境を守るために重要。特に猫は猫砂とトイレをセットで準備しておく。
🔹 準備のポイント
✔ ペットシーツ(最低7日分) → 小型犬や猫の場合、1日3〜4枚を目安に計算
✔ 猫砂&簡易トイレ → 普段使い慣れたものを準備し、猫のストレスを軽減
✔ ビニール袋&消臭袋 → 排泄物の処理に必須。におい対策として消臭袋を用意
✔ ウェットティッシュ&除菌スプレー → ペットの足や周辺の清掃用
🐾避難生活が長期化する可能性もあるため、トイレ環境を整えてペットが安心できるスペースを確保しておきましょう。

✅ 飼い主の連絡先が書かれたタグ・迷子札
➡ 災害時にはぐれた際に、すぐに飼い主が特定できるよう、首輪やハーネスに装着しておく。
🔹 準備のポイント
✔ 首輪やハーネスに迷子札を装着 → 連絡先やペットの名前を記載
✔ 情報を最新のものに更新 → 住所変更や電話番号の変更があればすぐに対応
✔ マイクロチップの登録を確認 → 獣医師会や動物保護団体と連携し、読み取り可能な状態にしておく
✔ 防水仕様のタグを使用 → 水害や雨に備え、耐久性のある素材を選ぶ
🐾 ペットは話せません。万が一に備えて、確実に身元がわかるよう準備をしておきましょう!

✅ ペットの写真(迷子になった際の捜索用)
➡ 避難先でペットが迷子になった場合に備え、最新の写真をスマホや印刷で持っておく。
🔹 準備のポイント
✔ 全身写真と顔のアップを用意 → 特徴がわかるように、複数枚撮影
✔ 一緒に写った写真も準備 → 飼い主と一緒の写真があると証明しやすい
✔ 首輪や特徴的な模様がわかる写真を残す → 個体識別の手がかりになる
✔ 印刷して防水ケースに保管 → スマホの充電切れ対策として、紙の写真も準備
🐾 迷子対策は事前の準備が鍵! 万が一のときに備え、すぐに対応できるようにしましょう。

✅ タオル・毛布(寒さ対策)
➡ 避難所は冷えることが多いため、ペットの体温調整のための毛布やタオルを用意する。
🔹 準備のポイント
✔ ペットのサイズに合った毛布を準備 → 体をすっぽり覆えるものが理想
✔ 普段使っているタオルを用意 → においがついていると安心感につながる
✔ 防寒対策として厚手のものを選ぶ → 緊急時の敷物や包帯代わりにも活用可能
✔ 防水加工のものがあると便利 → 雨や雪に濡れた際の対応もできる
🐾 寒さ対策は、ペットの健康を守るために重要! 事前にしっかり準備し、避難先でも快適に過ごせる環境を整えましょう。

✅ 緊急用ペット応急セット(薬・消毒液・包帯・爪切りなど)
➡ 災害時にはすぐに動物病院に行けない可能性があるため、最低限の応急処置ができるグッズを用意する。
🔹 準備のポイント
✔ ペット用の常備薬を持参 → 持病がある場合は必須。処方薬は余裕を持って備蓄
✔ 消毒液・包帯・ガーゼ → ケガをした際の応急処置に活用
✔ 爪切り・ピンセット → 爪が折れたときや異物を取り除くために役立つ
✔ 体温計(ペット用) → 体調変化を早めに察知できる
✔ ノミ・ダニ対策用品 → 避難所での感染予防として準備
✔ 持ち運びしやすいポーチにまとめる → すぐに取り出せるよう整理
🐾 応急セットは、ペットの健康を守るための必須アイテム! 万が一のケガや体調不良に備え、事前に用意しておきましょう。

✅ ストレス対策グッズ(お気に入りのおもちゃ・噛むおやつ)
➡ 避難時のストレスを軽減するため、普段使っているおもちゃやおやつを携帯する。
🔹 準備のポイント
✔ 普段使っているおもちゃを持参 → 慣れたにおいが安心感を与える
✔ 長時間噛めるおやつを用意 → 退屈やストレスの発散に役立つ
✔ お気に入りの毛布やタオルも◎ → においがついたアイテムが落ち着きにつながる
✔ 避難所では音が出ないおもちゃがベター → 周囲に配慮しつつ、ペットがリラックスできるものを選ぶ
🐾 ストレス軽減はペットの健康維持に直結! 事前に準備し、避難先でも安心できる環境を整えましょう。
🐶 ペットのための防災対策ポイント 🐱
✅ ペットが避難に慣れる訓練を事前に行う
➡ クレートに慣れさせる、リードをつけて落ち着いて歩く練習をする。
✅ 避難所のペット受け入れルールを事前に確認
➡ 住んでいる地域の自治体に、ペット同行避難の受け入れ状況を問い合わせておく。
✅ ペット用防災バッグをまとめておく
➡ すぐに持ち出せるよう、必要なグッズを1つのバッグにまとめて保管しておく。
まとめ|ペット用防災対策は「備え」が鍵!
災害時には、ペット用の物資が手に入りにくくなるため、事前の準備が生死を分けることもあります。特に、食料・トイレ用品・身元確認グッズは欠かせません。
✅ ペット用防災バッグを準備し、避難時にすぐに持ち出せる状態にする
✅ 定期的に防災グッズを見直し、消費期限切れのフードや水を補充する
✅ ペットが災害時にパニックにならないよう、クレートや避難訓練を普段から行う
いざという時、大切な家族であるペットの安全を守るために、今すぐ防災準備を始めましょう。
ペット同行避難の受け入れ先とその課題|避難ネットワーク構築の必要性
日本にはペットを受け入れ可能な施設が多数ありますが、災害時に避難所として活用するには課題も多く、受け入れ体制の整備が必要です。
ここでは、ペット同行避難の受け入れ先となる施設のメリット・デメリットを整理し、より現実的な解決策を提案します。
🏠 ペット同行避難の受け入れ先としての候補とその課題
災害時にペット同行避難をスムーズに進めるためには、従来の避難所だけでなく、多様な施設を活用することが鍵となります。

① 室内ドッグラン・ペットホテル
✅ メリット
-
ペット向けの設備が整っている(クレート・ケージの設置が可能)
-
動物の扱いに慣れたスタッフが常駐している
-
冷暖房完備の施設も多く、長期滞在にも適している
❌ デメリット
-
施設が被災すると利用不可(地震・津波のリスクが高い地域では不安)
-
収容キャパシティに限りがある(普段から予約が埋まりやすく、緊急時に対応できるか不透明)
-
施設の経営負担が増大(災害時に営業継続が難しくなる可能性)
💡 解決策
➡ 複数のペットホテルとネットワークを構築し、分散避難を可能にする

② ペット専門学校
✅ メリット
-
動物の専門知識を持つスタッフ(教員・学生)がいる
-
校舎内にケージやトリミング設備、動物病院が併設されていることが多い
-
自治体と連携しやすい教育機関としての強みがある
❌ デメリット
-
授業の中断が必要(教育機関としての機能を維持しながら避難所として運営するのは難しい)
-
施設の広さに限界がある(多くのペットを収容できるわけではない)
-
被災地内にある場合、そもそも利用できない可能性がある
💡 解決策
➡ 事前に自治体と協力し、避難運用ルールを策定。どのタイミングで受け入れ可能か明確にする

③ 動物病院
✅ メリット
-
医療対応が可能(災害時に体調を崩したペットのケアができる)
-
ケージ管理が可能(入院スペースを活用できる)
-
獣医師のいる環境で安心して避難できる
❌ デメリット
-
病院自体のスペースが狭い(通常の診療スペースに加え、避難所として機能させるのは困難)
-
災害時には緊急治療が優先されるため、避難所としての機能は限定的
-
獣医師や看護師の負担が増大(特に大規模災害時には人手不足が懸念される)
💡 解決策
➡ 動物病院は「緊急医療支援施設」として活用し、避難スペースとしての利用は限定的にする

④ ペット関連ショップ・ドッグカフェ
✅ メリット
-
ペットフードや防災用品を確保しやすい
-
短期間の避難所として活用可能
-
災害時の情報発信拠点としての機能も期待できる
❌ デメリット
-
長期滞在には不向き(スペースが狭く、多くの避難者を収容できない)
-
衛生管理が難しい(ペットの排泄管理が課題になる)
-
ペット同士のトラブルが発生しやすい(ストレスによる争いのリスク)
-
被災地内にある場合、施設そのものが利用できなくなる
💡 解決策
➡ 物流拠点としての役割を強化し、物資提供をメインとした避難支援を行う
🏡 ペット同行避難ネットワークの構築が必要
単一の施設に頼るのではなく、複数の受け入れ施設をネットワーク化し、柔軟な避難体制を構築することが不可欠です。
1️⃣ 地理的に分散した受け入れ施設を確保する
✅ 一つの地域に頼らず、隣接自治体と連携して避難先を確保
✅ 被災地域外の施設とも協力し、遠方でも受け入れ可能な仕組みを整備
2️⃣ 「仮設避難所」と「長期避難所」を分けて運用
🏠 短期避難所: ペットホテル・ドッグカフェ(数日間の一時受け入れ)
🏫 長期避難所: 専門学校・自治体支援施設(安定した避難生活の確保)
3️⃣ ペット避難用の「サテライト拠点」を整備
✅ 避難所の近くにペット専用スペースを設置し、飼い主との距離を縮める
✅ 日中は飼い主が世話をし、夜は避難所に戻る方式を検討
4️⃣ 自治体による「ペット避難施設認定制度」の創設
✅ 指定された施設には防災備蓄品・運営マニュアル・支援金を提供
✅ 定期的な訓練を義務化し、災害時にスムーズに運営できる体制を整備
📝 結論|ペット同行避難ネットワークの必要性
単に「ペットホテルを避難所にしよう」といった単純な発想では、被災状況によっては全く機能しない可能性がることに整理すると気づかされます。
そのため、複数の施設と自治体が連携し、「ネットワーク型のペット同行避難システム」を構築することが最も現実的な解決策なのかもしれません。
ペットも家族の一員です。
次の大災害に備え、今こそペット同行避難の仕組みを整備する必要があります。
なぜ日本ではペット同行避難が進まないのか?
日本は災害大国でありながら、ペット同行避難の制度整備が進んでいません。海外では法整備が進み、ペットと飼い主が共に避難できる環境が整っているのに対し、日本では制度・意識・設備の面で遅れが見られます。その理由を詳しく解説します。
(1) 法整備の遅れ|法的義務化がない現状
アメリカでは「PETs Act(ペット救済法)」が制定され、ペット同行避難が法律で義務付けられています。一方、日本では環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(2018年改訂)を定めていますが、法的拘束力はなく、各自治体の判断に委ねられています。
📌 何が問題なのか?
✅ 法律がないため、自治体ごとに対応がバラバラ
➡ 受け入れる避難所もあれば、受け入れ不可の避難所もあり、統一基準がない。
✅ ペット同行避難は「推奨」に留まり、義務ではない
➡ 避難所の管理者が「ペットNG」と判断すれば受け入れ不可になる。
✅ ガイドラインに強制力がない
➡ 避難所の運営者に対し、ペット受け入れの義務を課す規則がないため、実際にはペットが締め出されるケースが続出。
🛠 解決策
🔹 ペット同行避難を法的に義務化し、全国統一ルールを作る(自治体ごとの判断に委ねず、国が基準を設ける)
🔹 受け入れが義務となることで、避難所のペット専用スペースの整備を推進する
🔹 自治体に対し、避難所ごとの受け入れ状況を公表する義務を課す
(2) 社会的な意識の違い|ペット=「家族」か「所有物」か
🔍 海外との比較|法律に見るペットの扱い
海外では、ペットを「家族の一員」として法律で認める国が多く、ペット同行避難は当然の権利とされています。
✅ アメリカ
➡ 「PETs Act」により、自治体はペットを受け入れる避難所の設置が義務化。
✅ EU(イギリス・ドイツなど)
➡ 動物福祉法に基づき、避難所のペット受け入れは当然の義務。
一方、日本ではペットは「動産(物)」として扱われており、災害時には人命優先の観点から後回しにされることが多いのが現状です。
📌 何が問題なのか?
✅ ペットの法的地位が低い
➡ 日本の民法ではペットは「所有物」とされており、人命優先の観点からペットは後回しにされやすい。
✅ 避難所の運営者の意識が低い
➡ 「ペットは人間の避難の邪魔になる」という意識が強く、積極的に受け入れようとしない。
✅ 被災者同士の対立
➡ 「ペットがいると衛生的に問題」「鳴き声がうるさい」といった理由で、避難所内でのトラブルが起こる。
🛠 解決策
🔹 民法の改正により、ペットの法的地位を「家族の一員」として明文化
🔹 ペット同行避難のメリットを社会に広め、意識改革を進める(ペットを連れていけないことで、かえって救助活動の遅れが生じるリスクを周知)
🔹 自治体・避難所スタッフ向けのペット同行避難研修を義務化
(3) 施設の制約|物理的な受け入れ困難
日本は地震・台風・津波といった災害リスクが高い国でありながら、避難所のスペース不足が深刻な問題となっています。
📌 何が問題なのか?
✅ 避難所のスペースが狭く、ペット専用エリアを確保できない
✅ ペット用のケージ・クレート・トイレなどの備品が不足
✅ ペットの毛や臭い、鳴き声による他の避難者とのトラブルが発生
🛠 解決策
🔹 既存の避難所の中に「ペット同行避難専用エリア」を設置
🔹 ペットホテル・動物病院・ドッグカフェなどと提携し、避難所として活用
🔹 避難所とは別に、ペット専用の一時預かり施設を自治体が確保
📝 まとめ|ペット同行避難を進めるために必要なこと
1️⃣ 法整備の強化
🚨 ペット同行避難を義務化し、自治体の裁量に委ねない全国統一ルールを策定
2️⃣ 社会的な意識改革
🏡 ペットは「家族」であるという認識を社会全体に広める
🏫 自治体・避難所の運営者向けにペット同行避難の研修を義務化
3️⃣ 施設の拡充
🏠 避難所の中にペット専用スペースを設置
🏢 ペットホテル・動物病院・専門学校などと連携し、避難施設を拡大
▲2011.3.14 宮城県/撮影:仙石
瓦礫と化した塀、歪んだ道、散らばるブロック。地震の衝撃が、生活のすぐ隣まで迫っていたことを静かに語っていた。
📢5. CUUNの取り組みと今後の展望
CUUNは、これまでペット同行避難について十分に発信できていなかったことを反省し、今後は情報発信と防災対策の普及に力を入れていきます。
(1) 正しい情報の発信|避難可能な施設・準備リストの提供
🐾 ペット同行避難に関する正確な情報を発信し、災害時の混乱を防ぐことを目標とします。
✅ 全国のペット同行避難可能な自治体・避難所のリストを作成し、CUUNの媒体で発信する。
✅ 災害時に備えて必要なペット用防災グッズリストを作成し、読者に向けた啓発活動を実施する。
✅ ペットと一緒に避難する際の具体的な行動指針をわかりやすく紹介(例:クレートトレーニングの重要性、避難所でのマナー)。
✅ 被災時のペット迷子対策や、災害後のペット支援情報の提供に力を入れる。
これらの情報発信を強化し、いざというときに飼い主が迷わず行動できるよう、事前の準備をサポートしていきます。
(2) 防災イベント・セミナーの開催
✅ 防災の専門家や自治体関係者とともに、セミナーを実施
✅ 実際の避難訓練を通じて、ペットとの避難を具体的に体験
✅ 防災グッズの紹介や活用方法の啓発
防災意識を高め、実践的な対策を広める機会を増やしていきます。
▲2011.3.14 宮城県/撮影:仙石
被災地を走る道路沿い、果てしなく続く車の列。ガソリンを求め、静かに並ぶ人々の焦りと不安が伝わってくる。燃料がなければ移動もできない。避難するにも、物資を運ぶにも、何をするにもガソリンが必要だった。
今後の目標
- 避難所情報の整理・発信を強化
- 防災訓練や啓発イベントの企画・実施
ペットも大切な家族の一員。災害時も安心して避難できる社会を目指し、CUUNは今後も取り組みを進めていきます。
▲2015年 岩手県宮古市/撮影:仙石
津波に飲み込まれ、今もなおその爪痕を残す建物。基礎部分をえぐられながらも、かろうじて立ち続ける姿が、あの日の記憶を呼び覚ます。周囲には再建の兆しが見え始めているが、この建物はまるで時間が止まったかのように、震災の記憶を語り続けている。
📢6.想定される未来の災害とペット同行避難の課題|日本での防災対策の遅れと必要な準備
南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などの大規模災害が今後数十年以内に高確率で発生すると予測されており、日本の防災対策の強化が急務とされています。しかし、特にペットとの同行避難に関しては、いまだに十分な環境が整備されておらず、飼い主とペット双方にとって深刻な課題が残っています。
迫り来る大規模災害とペット同行避難の課題
(1) 南海トラフ巨大地震のリスク
政府の地震調査委員会によると、南海トラフ巨大地震は今後30年以内に70~80%の確率で発生するとされており、想定される被害は以下の通りです。
✅ 死者数:約32万人(最悪ケース)
✅ 経済損失:最大220兆円
✅ 津波被害:最大30m級の津波が発生する可能性
✅ ライフライン寸断(電気・水道・ガス・通信)
この規模の地震が発生した場合、ペットと同行避難ができる避難所が確保できない状況が想定されます。特に沿岸部では、津波避難が最優先となり、ペットを抱えての移動が困難になるケースが増えると考えられます。
(2) 首都直下型地震の深刻な影響
首都圏では今後30年以内に70%の確率で震度7クラスの直下型地震が発生するとされています。
想定される被害は以下の通りです。
✅ 死者数:約23,000人(建物倒壊・火災)
✅ 帰宅困難者:約450万人
✅ 避難者数:約320万人
✅ 避難所の不足が深刻化し、ペット同行避難の環境が整わない可能性
都市部では避難所のキャパシティが不足し、ペットを受け入れるスペースの確保が難しいため、飼い主がペットのために避難をためらうケースが増えると予想されます。
(3) スーパー台風・メガ水害の増加
近年の気候変動により、日本では台風や豪雨の影響が激化しています。
✅ 2018年 西日本豪雨(死者200人超)
✅ 2019年 台風19号(河川の氾濫・住宅浸水被害)
こうした大規模水害の際、ペット同行避難の準備ができていない飼い主が多く、ペットを連れて避難することができなかったケースが多数発生しました。
こうした未来の災害を想定すると、日本のペット同行避難の遅れが、今後さらに深刻な課題となることは明白です。現在のシステムが改善されなければ、「ペットを連れて避難できなかった」「避難所で断られた」「避難生活中に体調を崩した」というケースがますます増加し、ペットの生命と飼い主の精神的負担の両方が脅かされるでしょう。
今、この瞬間に準備を進めなければ、次の大災害でまた同じ悲劇が繰り返される可能性が高いのです。
▲2025年3月 宮城県山元町/震災遺構 中浜小学校 撮影:仙石
教室のはずだった場所に横たわる巨大な流木。かつて子どもたちの声が響いていたこの空間が、一瞬にして津波に飲み込まれた。その爪痕は、今もなお時間を止めたまま、あの日を語り継いでいる。
📢7.まとめ|日本のペット同行避難の課題と今後の展望
日本におけるペット同行避難は、法整備の遅れ、社会的認識の違い、避難所のインフラ不足といった課題に直面しています。しかし、アメリカやヨーロッパの事例を見ると、法制度の整備や自治体の意識改革によってペット同行避難が実現可能であることが明らかになりました。
CUUNは、情報発信にとどまらず、防災イベントの開催を通じて、ペットと飼い主が安心して避難できる社会の実現を目指します。
東日本大震災から14年が経過した今こそ、「ペットも家族」という視点をより深く考え、具体的な行動に移す時です。次の大災害に備え、ペットと共に避難できる社会を築くための新たな取り組みを進めていきます。
追記)Instagramストーリーズアンケート結果
Q.もし、今地震が起きたら一緒に避難できる?
アンケート結果から紐解くペット同行避難の準備状況と意識調査から見える課題
今回のアンケート結果では、「はい!準備してる」と回答した人は32%にとどまり、「うーん…ちょっと不安」と感じている人が59%と過半数を占めました。また、「正直、考えたことがない」と回答した人も9%**おり、多くの飼い主がペット同行避難の準備や具体的な行動プランを確立できていない現状が浮き彫りになりました。
この結果は、日本のペット防災に関する意識と実践のギャップを示唆しています。環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、ペットとの同行避難を原則としつつも、実際には自治体ごとに対応が異なり、避難所の受け入れ基準や設備が統一されていません。そのため、飼い主は避難先の確保に不安を抱え、結果的にペットを連れて避難することに消極的になってしまうケースが多発していると考えられます。
① なぜ多くの飼い主が不安を感じるのか?
- 避難所でペットの受け入れが保証されていない(自治体ごとに対応が異なる)
- ペット専用の避難スペースや備品(ケージ・トイレ・フードなど)が不足
- 他の避難者とのトラブル(アレルギー、鳴き声、衛生管理)を懸念
- 事前の防災訓練や同行避難の具体的なシミュレーションが不足
② 具体的に何をすべきか?
- 個人レベルの対策:クレートトレーニング、フードや水の備蓄、ペットの健康管理を含めた防災バッグの準備
- 地域コミュニティの整備:自治体やペット関連施設との連携強化、避難所のペット受け入れ基準の明文化
- 法制度の整備:ペット同行避難を義務化し、避難所ごとの対応を標準化するための法改正(アメリカのPETs Actのような制度の導入)
③ CUUNとしての取り組み
以上の調査を通じて、ペット同行避難に関する正しい知識を広めるとともに、今後は避難所の受け入れ状況のリサーチやペット防災訓練の実施、自治体との連携強化など、具体的なアクションを提案していきます。
ペットも家族の一員である以上、災害時の避難においても、人間と同じように安全と安心が確保されるべきです。次の大規模災害が発生する前に、私たち一人ひとりが今できることを考え、備えていくことが求められています。
本記事は、私自身のリサーチと考察に基づいたものであり、専門的な防災知識に基づくものではありません。可能な限り正確な情報をお伝えできるよう努めておりますが、内容には誤りや認識の違いが含まれている可能性もございます。
そのため、本記事の内容について皆さまのご意見やご感想をぜひコメントでお寄せください。皆さまの声を通じて、より多くの方々と共にペット同行避難の課題を考え、改善のヒントを見つけていければと思います。
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1件のコメント
被災した場合、同行避難・同伴避難・同室避難の三つがありますが、
同室避難を行える自治体避難所は殆どないと言ってもいいと思います。
同伴避難も同じ施設内には居れるがペットは別室が基本原則ですよね。
同行避難においては飽く迄安全な場所まで同行できるがペットは
避難所には入れないが原則です。家の住まいのエリアでは
私が参加しているボランティアで同行避難同伴避難のガイドラインを
作って区長にそれを持っていき、認めてもらうところまでやっております。
今のところそのガイドラインを使う場面には遭遇せず、
それはありがたいことだと思います。
そのガイドラインを作る際、阪神淡路大震災で被災し、新宿で同行避難同伴避難の
ガイドラインを作ってくださった講師の方をお迎えし、講演していただきました。
だからと言って、それで安心ではないと思います。区や自治体がそういう避難を
認めていてくれても、いざ被災した時に、自治体の担当者と連絡が取れるか
担当者が被災している可能性もあるわけです。
勿論代理の方がつとめてくれると思いますが、そこで、誰がリーダーと
なって、その場所を仕切るか管理するか…こちらの区のようにボランティア
があり、会長副会長や被災した時担当のものがいれば比較的早く体制が
整うと思いますが、避難をしないとならない状況ではだれもが動揺し
パニック状態になり、いきなりリーダーを決める事も難しい事だと思います。
本当ならば、地域でも区という大きなものでなく住まいのエリアの町内レベルの
小さな自治体でも定期的に、人類だけの会議ではなくいざ被災した場合の
避難の計画などを話し合うべきだと思います。
なかなかそういう事に目を向ける事が出来ず、目の前の事だけを話し合う
会議会合ではなく、人もペットたちも共存していくための話し合いは
必要な事だと思います。
個人個人での災害の準備は必要ですが、フードなどは消費期限もあり
備蓄するにしても定期的に管理が必要です。家では手作り食も入れていますので
アレルギーに対応した缶詰などを備蓄しています。被災すれば煮炊きできない
と想定しますので…ドライフードの方が軽くて管理しやすいですが、何らかの
事象により濡れたらアウトです。
色々書いただけで、結論の無い文章になってしまいましたが、一人一人の
力が愛する家族のペットたちを守れる力になるので、もし必要なら
家の区のガイドラインも探してお渡しいたします。みんなで目を向けて
悲しいペットたちを作らないようにしていきたいと考えます