「うちの子LOVE月間」アンケートから学ぶ、愛犬家コミュニティの未来とは?

「うちの子LOVE月間」アンケートから学ぶ、愛犬家コミュニティの未来とは?

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「うちの子LOVE月間」アンケート分析と考察:SNSの誹謗中傷を乗り越え、より温かな愛犬家コミュニティへ

 

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1. はじめに

「うちの子LOVE月間」は、愛犬家コミュニティの温かさを再確認し、互いを尊重し合う空気を育てることを目的にスタートしました。ご賛同いただいた皆様、誠にありがとうございました。

キャンペーン期間:2025年2月1日~2月28日まで

本来、SNSは愛犬との幸せな時間を共有し、情報交換を行うための素晴らしいツールです。しかし、その一方で誹謗中傷・対立・嫉妬・偏見といった負の側面も目立ち、SNS疲れを感じる愛犬家が増えているのも事実です。

今回のアンケートでは、こうした問題を改めて可視化し、どのような変化が求められているのかを明らかにしました。このブログでは、アンケート結果の詳細な分析と、SNSの課題を克服するための視点を提案し、愛犬家コミュニティがより温かく、思いやりに満ちた場所となるための方策を考えていきます。


2. アンケート結果の分析

今回の「うちの子LOVE月間」には114名が共感しご賛同いただき、アンケートには、103名が回答。約90.4%という高い回答率は、このテーマに対する関心の高さを示しています。

 

(1) CUUN読者(キャンペーン賛同者)のSNS利用状況

  • Instagramが最も支持を集める(103人)
  • 毎日ペット関連の投稿を見る人が99%
  • 投稿頻度も高く、週に数回以上投稿する人が83%

この結果から、SNSは愛犬との暮らしに不可欠なツールになっていることが分かります。しかし、同時に「投稿すること」自体がストレスになっているという声もありました。

「以前はもっと自由に投稿していたが、他人の反応が気になって控えるようになった。」 「誰かの悪口や対立に巻き込まれたくないので、極力コメントは控えている。」

このように、SNSの本来の楽しさが「人間関係の摩擦」によって損なわれつつあることが浮かび上がりました。


3. SNSにおける誹謗中傷の背景と考察

アンケート結果から、特定のパターンが誹謗中傷や対立を生む原因になっていることが分かりました。その中でも特に目立ったのが、モデル活動やブランド選考を巡るトラブルです。

(1) モデル活動やブランド選考を巡るトラブル

「○○さんは選ばれたのに、うちは選ばれなかった。」
「選ばれなかった人が、受かった人に攻撃的なDMを送る。」

こうした意見が多く寄せられました。「なぜうちの子ではなく、あの子が?」という感情が、誹謗中傷やトラブルにつながるケースがあるようです。

しかし、この問題を考える際に重要なのは、「誰もが納得できる選考基準は存在しない」という事実を理解することです。


なぜこのような対立が起きるのか?

① 愛犬への愛が強いからこその「評価されるべき」意識

愛犬家にとって、愛犬は「家族」であり、「誇り」です。そのため、ブランドのモデルやオーディションなどの場で「評価されること」が、大きな意味を持つように考えられるようになりました。

選ばれることで、「うちの子が認められた!」と嬉しくなる一方で、選ばれなかった場合には、「なぜうちの子じゃないのか?」という疑問が生まれやすくなります。

特に、審査基準が明確に説明されていない場合、落選した側は「何が理由でダメだったのか分からない」と感じやすくなり、次第に「納得できない」「審査が不公平では?」といった不満へと発展することがあります。


② SNSが「比較の場」になりやすい

SNSでは、他人の投稿が常に目に入るため、「比較の意識」が生まれやすいのも問題の一因です。

  • 「○○さんの犬はイベントに招待されたのに、うちは呼ばれなかった…」
  • 「○○さんの犬はブランドのモデルに選ばれたのに、なぜうちの子は?」
  • 「審査基準は本当に公平なの?」

このように、「誰かが選ばれた」という事実が、他の人にとって「自分は選ばれなかった」という意識につながり、嫉妬や不満が生まれることがあります。

また、SNS上では、選ばれた側が「おめでとう」と祝福される光景を目の当たりにする機会が多くなるため、選ばれなかった側はより強く「自分が評価されなかった」ことを実感しやすくなるのです。


③ 価値観の違いによる誤解

ブランドやイベントごとに「求める雰囲気」「コンセプト」「基準」は異なります。しかし、SNSではその違いが十分に伝わらず、「単純に人気順や知名度で選ばれたのでは?」と誤解されることがあります。

たとえば、あるブランドが「スタイリッシュな雰囲気の犬を求める」というコンセプトで選考を行ったとします。

しかし、そのブランドの選考基準を知らない人が見ると、「なぜうちの子は選ばれなかった?うちの子だって可愛いのに!」と疑問に思うかもしれません。

このように、ブランド側と応募者側の価値観のズレが、誤解や対立を生む原因になっているのです。


どう考えるべきか?

① 選考には必ず「ブランドごとの基準」がある

選考というのは、ブランドごとの方針や価値観によるものです。たとえば、アパレルブランドでも「クラシックな雰囲気が合う子」を求めるところもあれば、「カジュアルな雰囲気の子」を求めるところもあります。

そのため、「なぜうちの子が選ばれなかったのか?」を考えるとき、「審査が不公平だったのでは?」ではなく、「ブランドのコンセプトと合っていたか?」という視点で見ることが大切です。


② 不満や嫉妬をぶつけるより「愛犬の魅力を発信し続ける」

もし、選ばれなかったことに納得できないなら、「審査がおかしい」と考えるのではなく、「自分の愛犬の魅力をどう発信していくか?」を考える方が、より良い未来につながります。

  • 「うちの子の魅力をもっと伝えられる写真を撮る」
  • 「他のブランドにもチャレンジしてみる」
  • 「愛犬の個性に合った場所を見つける」

こうした前向きな行動を続けることで、結果的に自分の愛犬に合ったブランドや機会が見つかるかもしれません。


③ 「ブランドと価値観が合うか?」を見極める

どんなに素晴らしい犬でも、すべてのブランドやイベントに合うわけではありません。そのため、「自分の愛犬の雰囲気と合うか?」を意識することも重要です。

もし「このブランドは自分の愛犬に合わないな」と感じたら、無理に応募し続けるのではなく、「他のブランドやイベントを探してみる」のも一つの選択肢です。

「自分の価値観と合う場所を探す」ことが、結果的にストレスを減らし、より充実した活動につながる。


モデル活動やブランド選考を巡るトラブルのまとめ


SNS上では、モデル活動やブランド選考をめぐるトラブルが生じやすい傾向があります。しかし、「誰が選ばれるか」は、ブランドのコンセプトや方向性によるものであり、必ずしも「人気」や「フォロワー数」だけで決まるわけではありません。

もし、自分の愛犬が選ばれなかったときに「納得できない」と感じたら、「なぜ?」と考えるよりも、「どうすればもっと魅力を伝えられるか?」を考えることが、よりポジティブな未来につながるのではないでしょうか。

そして何よりも、SNSは「他人と競う場」ではなく、「愛犬との幸せを記録し、楽しむ場」であることを忘れずに、自分らしい発信を続けていくことが大切です。


(2) グループ・派閥問題

Instagramでは、「犬種ごとの派閥ができやすい」という意見が多数寄せられました。

「○○さんは誘われたのに、うちは誘われなかった。」
「グループから抜けたいけれど、気まずくなるのが怖い。」

このような声からも分かるように、愛犬家コミュニティにおけるSNSのグループ化は、時に人間関係のストレスを生む要因になっています。

派閥ができること自体は、共通の趣味を持つ人々が集まるSNSの特性上、ある意味で自然なことです。同じ犬種を愛する人々が集まり、情報交換をしたり、共感し合える場を求めるのは当然の流れでしょう。

しかし、それが「閉鎖的な雰囲気」や「排他的なムード」を生むことで、仲間外れやストレスの原因になってしまうのが問題です。SNS上では、リアルな対話が少ないため、「〇〇さんは誘われたのに、なぜ私は?」といった疑問が生まれやすく、そこから対立や誤解が生じることもあります。


なぜ派閥問題が起こるのか?

派閥やグループができる背景には、以下のような要因があります。

① 共感を求める心理

SNSは「いいね」や「フォロワー」といった数値で評価が可視化されるため、自分の価値を確認するために、共感しやすい人とつながろうとする傾向が強くなります。その結果、「似た価値観を持つ人々だけが集まりやすい」という現象が起こります。

② 仲間意識の強化と排他性

同じ価値観や趣味を共有する人々が集まることで、グループの結束力は高まります。しかし、結束力が強まるほど、グループの外部に対する警戒心や排他性が生まれやすいのも事実です。「自分たちと違う考え方の人は受け入れない」という風潮が強くなり、無意識のうちに排他的なコミュニティになってしまうことがあります。

③ SNS特有の比較文化

SNSでは、他人の投稿が常に目に入るため、どうしても「他の人と比較する」という意識が生まれやすくなります。

「〇〇さんの犬はイベントに招待されているのに、うちは呼ばれなかった。」
「〇〇さんの犬はブランドのモデルに選ばれているのに、なぜうちの子は?」

こうした比較の積み重ねが、不満や嫉妬につながり、派閥や対立を生む原因となってしまうのです。


どう考えるべきか?

愛犬家コミュニティは、本来「愛犬との幸せを分かち合う場」です。SNSを使う目的は、「誰かと競うため」ではなく、「愛犬との時間を共有し、楽しむため」のはずです。

もし、あるグループが自分にとって窮屈に感じるならば、無理に所属する必要はありません。むしろ、「心地よい距離感でつながれる仲間を探す」ことが、SNSを楽しむうえでの鍵になるでしょう。

✔ 無理にグループに属さなくてもよい
SNSは、リアルな人間関係よりも自由度が高い空間です。居心地が悪いと感じたら、距離を置いても問題はありません。自分が気持ちよくいられる環境を選ぶことが大切です。

✔ フォーカスするべきは「愛犬との時間」
SNSでの人間関係がストレスになりそうなら、「何のためにSNSを使っているのか?」を見直してみましょう。大切なのは、愛犬との楽しい時間を記録し、共有すること。無理に人間関係に気を遣うのではなく、自分の愛犬との時間を第一に考えることが、最も心地よいSNSの使い方かもしれません。

✔「派閥の外」でも楽しい世界はある
どのコミュニティにも、仲間同士のつながりはあります。しかし、そこに「所属しなければならない」という義務はありません。「グループに属さなくても、自由に楽しめる場は必ずある」ということを忘れずに、自分らしいSNSの楽しみ方を見つけることが大切です。


派閥問題をどう解決していくべきか?

では、愛犬家コミュニティ全体として、派閥によるストレスやトラブルを減らすためにはどうすればよいのでしょうか?

① 「犬」主体の視点を忘れない

愛犬家のSNSで重要なのは、「人間関係」ではなく「犬との幸せ」であるはずです。人間同士のつながりにとらわれすぎず、「愛犬が楽しめているか?」を最優先に考えることが、ストレスの少ないコミュニティづくりにつながります。

② オープンな交流を意識する

特定のグループだけで閉じるのではなく、「犬種やブランドを超えた交流」を意識することも重要です。多様な価値観を受け入れ、お互いを尊重し合うことで、派閥による対立やストレスを減らすことができます。

③ SNSだけでなく、リアルな場での交流も

アンケートでも、「リアルな場で会うと誤解が解けることがある」という意見が見られました。SNS上では文章や写真だけで判断されがちですが、実際に会って話すことで、より温かい関係を築くことができるのも事実です。オフ会やイベントなど、リアルな場でのつながりを大切にすることで、SNSでの対立も自然と減っていくかもしれません。


グループ・派閥問題のまとめ

SNSの派閥問題は、コミュニティの活性化とともに生じる課題です。しかし、「グループに所属すること」や「他人と比較すること」にとらわれすぎると、本来の「愛犬との楽しい時間」が見えなくなってしまうことがあります。

SNSは本来、「誰かと競うためのもの」ではなく、「愛犬との幸せを分かち合う場」であるべきです。

他人の評価に振り回されず、「自分のペースで、愛犬との時間を大切にすること」が、派閥問題に振り回されないための最善の方法なのかもしれません。


(3) SNSの「陰口文化」と「攻撃の連鎖」

アンケート結果から、多くの愛犬家が「SNSでの陰口やあてつけ投稿に悩んでいる」ことが明らかになりました。

  • 「DMのスクリーンショットが流される」
  • 「インスタのノート機能であてつけ投稿がされる」

こうした行為が、SNSを本来の「愛犬との幸せを共有する場」から、「誰かを監視し、批判し合う場」に変えてしまう要因となっているのです。


なぜ「陰口文化」や「攻撃の連鎖」が起こるのか?

SNSにおける陰口文化や攻撃の連鎖には、いくつかの心理的な要因が関係しています。

①「直接は言えないが、不満はある」という心理

SNS上での対立は、基本的に「直接言うことができない不満」から始まります。

「○○さんの犬ばかり注目されているのが納得いかない…」
「○○さんのやり方、私は嫌だけど、直接は言えない…」

こうした不満がたまると、

  • ノート機能を使ってあてつけ投稿をする
  • グループ内で陰口を広める
  • こっそりDMのスクリーンショットを流して「こんなこと言ってたよ」と晒す

といった行為につながりやすくなります。

②「共感を得たい」気持ちが攻撃を加速させる

人は誰しも「自分の意見が正しい」と思いたいものです。そのため、不満を持ったときに、他の人の共感を得ようとする心理が働きます。

「ねぇ、○○さんのやり方、おかしくない?」
「○○さんって、最近ちょっと調子に乗ってるよね?」

こうした形で、共感を得ることによって不満が強化され、攻撃が加速してしまうのです。そして、この攻撃の連鎖が「派閥」を生み、コミュニティの分裂につながります。


どう考えるべきか?

① 「陰口は必ず広まる」と理解する

陰口の怖いところは、必ず誰かの耳に入るという点です。

「ここだけの話だけど…」
「あの人には言わないでね…」

このような言葉が使われる場面でも、結局は当事者に伝わる可能性が高いのです。

特に、SNSの世界では「スクリーンショット」というツールがあるため、ちょっとした陰口も一瞬で拡散されてしまう危険性があります。つまり、「陰口はいつか本人の耳に入る」と考えれば、そもそも陰口を言わないことが、最も安全な選択になるのです。


② 「攻撃の連鎖」に加担しない

SNSで陰口が広がるのは、「直接攻撃しない人」も、間接的に加担してしまうことが多いからです。

たとえば、

  • 友達が陰口を言っているのを聞いても、特に止めずに聞いてしまう
  • DMで「○○さんのこと、どう思う?」と聞かれ、流れに乗ってしまう

このような状況では、自分が攻撃しているつもりがなくても、結果的に「攻撃する側」の一員になってしまうことがあります。

SNSでは「スルーする勇気」を持つことが大切です。
誰かが陰口を言っている場面では、「関わらない」「話を変える」「ポジティブな話題に持っていく」といった対応が、トラブルを回避するうえで有効です。


③ 「陰口ではなく、直接話し合う」姿勢を持つ

陰口の多くは、「本当は本人に伝えた方がいいこと」である場合がほとんどです。

たとえば、「○○さんの犬、最近SNSでの投稿が多すぎて、ちょっと押しつけがましく感じる…」→ 本当は「最近SNSの使い方を変えた?」と直接聞いてみるだけで、誤解が解ける可能性もある。

「○○さんのイベントの進め方、ちょっと違うと思うんだけど…」→ 本当は「もう少しこうしたらいいと思う」と、建設的なフィードバックをする方が前向きな結果につながる。

誹謗中傷や陰口が広がるのは、「直接言うのが怖いから、こっそり誰かに共感を求める」 という行動が原因になっています。

しかし、本当に相手に改善してほしいことがあるなら、陰口を言うよりも、「伝え方を工夫して、本人に伝える」方が、圧倒的に建設的な結果を生むのです。


SNSの「陰口文化」と「攻撃の連鎖」まとめ

SNSにおける陰口文化や攻撃の連鎖は、

  • 「直接は言えない不満」
  • 「共感を得ようとする心理」
  • 「陰口が広まりやすいSNSの特性」
    によって加速します。

しかし、この連鎖に巻き込まれないためには、

  • 「陰口は必ず広まる」と理解する
  • 「攻撃の連鎖」に加担しない
  • 「陰口ではなく、直接話し合う」姿勢を持つ
    という意識を持つことが大切です。

SNSは、本来「愛犬との幸せを記録し、共有する場」です。陰口や対立に振り回されず、「楽しく、健全にSNSを活用すること」を心がけることで、愛犬家コミュニティがより温かいものになるのではないでしょうか。


4. キャンペーン期間中のSNSの動向

「うちの子LOVE月間」のハッシュタグを通じて、多くのポジティブな投稿が生まれました。

(1) ポジティブな動き

  • 「愛犬に感謝を伝える投稿」が増加
  • 「普段はあまりSNSを使わない人も、思いをシェアする機会に」
  • 「優しいコメントのやりとりが増えた」

(2) 否定的な反応も

  • 「一部で、ハッシュタグを使った投稿が『自己アピール』と批判されるケースも」
  • 「イベントに参加しなかった人が『特別扱いがあるのでは』と疑問視する声」

このように、どんなに良い企画であっても、すべての人が同じように受け取るわけではありません。しかし、こうした否定的な意見に引っ張られすぎず、「ポジティブな変化」に目を向けることが重要です。


5. まとめ:愛犬家コミュニティの未来

犬は何も悪くない──本当の「愛犬家」とは?

SNSの誹謗中傷や対立の問題を考えるとき、忘れてはいけないのは、犬たちは何も悪くないということです。

飼い主同士のトラブルが原因で、かつて仲良く遊んでいた犬同士が会えなくなる。楽しく参加していたイベントに行きづらくなる。お気に入りだったドッグカフェやドッグランにも足を運びにくくなる。

さらに、SNSでの対立がブランドにまで影響し、「あの人が使っているから」「あの人と関わりたくないから」といった理由で、本来好きだったブランドの商品を買えなくなる、あるいは購入したくなくなるという現象も見られます。

果たして、こうした状況は本当に「愛犬ファースト」と呼べるでしょうか?

犬たちは、人間の感情とは関係なく、ただ飼い主と一緒に楽しく過ごしたいだけ。
それなのに、人間同士の意見の違いや感情のもつれによって、大切な時間が奪われ、選択肢が狭められてしまうのは、あまりにも悲しいことです。


飼い主の感情は愛犬に伝わる──科学的根拠と考察

この問題を考えるとき、飼い主の感情が犬に伝わるという科学的根拠があります。飼い主の感情やストレスが、直接的に愛犬の心身に影響を及ぼすことは、複数の研究で証明されています。

① 犬は飼い主の感情を敏感に察知する

麻布大学の研究によると、犬は飼い主の短時間の感情変化にも敏感に反応し、共感する能力を持つことが明らかになっています。飼い主の心拍変動が犬にも影響を与え、ストレスが伝染することが示されています。

また、イタリアの研究では、犬は人間の感情を嗅覚で感知し、同様の感情反応を示すことが確認されています。たとえば、恐怖を感じた人の汗の匂いを嗅いだ犬は、ストレスを感じ、見知らぬ人に対して慎重な態度を取る傾向があることが分かっています。

② 飼い主間のトラブルが愛犬に与える影響

飼い主同士の対立や感情的な不和は、愛犬たちにも悪影響を及ぼします。飼い主がストレスや怒りを感じていると、その感情が犬に伝わり、犬も不安やストレスを感じる可能性があります。


結果として、

  • 犬同士が仲良く遊んでいた関係が壊れる
  • 以前は楽しんでいた場所やイベントに行けなくなる
  • 飼い主の感情に影響されて、犬が神経質になる

といった問題が起こる可能性があります。

また、飼い主間のトラブルが原因で、特定のブランドの商品を購入しづらくなる、あるいは購入したくなくなるといった状況も発生します。これは、飼い主の感情が犬の生活環境や物質的な面にも影響を及ぼすことを示しています。


業界への提言──ペットアパレルブランドとCUUNが果たすべき役割

今回の「うちの子LOVE月間」アンケートから見えてきたのは、SNSにおける誹謗中傷・派閥問題・陰口文化・比較対立が、愛犬家コミュニティに大きな影響を与えているという現実です。

そして、その一因となっているのが「モデル選考全般」であることは否定できません。

「なぜこの子が選ばれたのか?」
「本当に公平な審査が行われたのか?」
「フォロワー数やコネクションで決まっているのでは?」

こうした疑念が、不満や対立を生み、誹謗中傷や分断につながっています。

しかし、ここで忘れてはならないのは、「全員が納得する選考基準」というものは存在しない、という事実です。

それはCUUNの表紙選考も同じです。

ブランドごとのコンセプトや方向性があり、すべての愛犬がどこでも選ばれるわけではない。選考基準をすべて明文化することが、必ずしも解決策になるわけではありません。

では、何ができるのか?

大切なのは、「誰が選ばれるか」ではなく、「どうしたら前向きに発信できるか」という視点です。

選考のプロセスにおいて、
✔「ただの人気投票ではないことを伝える」
✔「落選=否定ではないというメッセージを発信する」
✔「モデル選考以外でも楽しめる仕組みを用意する」

こうした取り組みが、SNS上でのストレスを減らし、ブランドやイベントが「分断を生む場」ではなく「愛犬との楽しみを深める場」へと進化するきっかけになります。

また、企業やメディア側も、選ばれた人だけでなく「応募したすべての愛犬の価値を認める姿勢」を示すことが重要です。

さらに、SNS上ではブランド同士のトラブルや、ブランドとお客様の間のトラブルも見受けられます。

✔「このブランドは○○さんと親しいから選ばれたのでは?」
✔「○○ブランドはあのブランドの影響を受けている?」
✔「あのブランドは最近○○さんの投稿をリポストしなくなったのはなぜ?」

こうした疑念や対立が、ブランド間の関係を悪化させたり、消費者との信頼関係に影響を与えることもあります。

CUUNとしても、この問題を他人事とは考えず、改めて考え直す必要があります。

愛犬家の皆様にとって、CUUNは単なる情報発信の場ではなく、「愛犬との時間をより豊かにするためのプラットフォーム」であるべきです。そのために、ブランドとの関わり方、選考プロセスの透明性、そしてお客様との信頼関係を守るために何ができるのかを、業界全体で今後も考えていかなくてはなりません。

ペット市場、とりわけ、ペットアパレル関連サービスにおいては、単なる競争の場ではなく、愛犬と過ごす幸せを分かち合うマーケットであるべきです。

「うちの子LOVE月間」に賛同してくださった皆様の声を無駄にしないためにも、CUUNもこの問題を直視し、「より円滑で幸せに満ちた愛犬家コミュニティ」を築くために、業界全体とともに考え続けていくことを誓います。

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仙石 健一郎
Shopify Admin
https://cuun-ec.myshopify.com/

1979年 宮城県仙台市出身|ドッグアパレル&アーカイヴサポートマガジン【CUUN】 編集長(2010~)|特定非営利活動法人JAZZY DOG LIFE 理事(2024~)|仙台ECO動物海洋専門学校 エコテクノロジー科 ペットマネジメント&ホスピタリティ専攻 講師(2024~)|ドッグカルチャークリエイター/ペットイベントプランナー|JKC愛犬飼育管理士|ミッション<犬生と人生の記憶を記録として保存する>